『流浪の月』は初めて読んだ凪良さんの作品。
もう、”切ない”の代名詞でもいいかもしれません。
こんなに初めから最後まで、登場人物の幸せを祈り続けた本は初めてでした。自分がその場に行って、どうにかしてあげたい、救ってあげたいとまで思うくらい。
自分の小学生の娘と主人公を重ねてしまったのも相まって、心に響く作品でした。

主人公の心情が、丁寧に、美しく描かれいて、切なさで心がいっぱいになりました。
本の概要
作品名/流浪の月
著者/凪良ゆう
読後感/切ない、切ない、切ない!
あらすじ
【2020年本屋大賞ノミネート作品】
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。
それでも文、わたしはあなたのそばにいたい―。
再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。読書メーターより引用
居場所のない小学生の更紗(さらさ)と大学生の文(ふみ)。二人は一緒に穏やかな時間を過ごしますが、誘拐事件として認識されてしまい、世間からは被害者の女の子と犯人の大学生として認知されることに。
数年後の再会をきっかけに、お互いが自分の居場所を再び見出し始めます。世間からの好奇の目に苦しみながら人間関係にもがき、過去を見つめ、前を向きたいと願いながら生きる二人の物語です。
感想
小学生の更紗の自由奔放な性格、個人的にすごく好きでした。
特に冒頭の明るい感じ。
周りに何を言われても、自分の幸せを疑わない真っ直ぐで強い心。美しいなと思います。ただ、その幸せなシーンから徐々に更紗の生活が息苦しいものになる様子は溜まらなかったです。これで、嫌なことは終わりにして。もう、ここからは、状況が上向いて、幸せになって。とずっと思いながらページをめくっていました。
自分の娘も小学生なので、もし娘がこんな状況だったら、と重ねてしまい、救ってあげたい気持ちで苦しかったです。
文と接することで、自分を取り戻せたように明るくなっているところは、とてもホッとしました。
ただ、そんな関係も世間から見たら許されないような関係に映っていて。
自分も含めてですが、何も知らない人は勝手なことばかりを言って簡単に人を傷つけ、それを何とも思わず生活しているのだと、改めて感じました。ネット社会、本当に身勝手で怖いです。
物語のラストは前向きで希望が見える終わり方で少し気持ちが救われました。どうか、その後の更紗と文がずっと幸せでありますように。
切ない物語ですが、とても美しくて、登場人物の気持ちがスッと心にきれいに染み込む一冊でした。


