半沢直樹などで有名な池井戸潤さんのビジネス小説『アキラとあきら』を読みました。

めちゃくちゃ面白かった!
語彙力なさすぎですが。笑
子ども時代から、社会人中堅になるまでの彬(あきら)と瑛(あきら)の人生を描いた作品です。
この本はこんな方におすすめ
✓ 池井戸潤さんの作品が好きな方
✓ スケールの大きい仕事小説が読みたい方
✓ 仕事に情熱を持ちたい(持っている)方
子ども時代から描かれる人生に感情移入
彬(あきら)と瑛(あきら)の小学生時代から物語が始まります。
彬は大企業の社長の息子。
幼いころから裕福な暮らしですが、常に親族間のいさかいが身近にある環境で成長します。
一方、瑛は小さな会社の社長の息子。
借金返済ができず父親の会社が倒産し、自分の家を追われるようにして出ていきます。
それぞれの育った環境は全く違いますが、大学卒業後、同じ銀行へ入行します。
彬側の会社経営が傾き行き詰っている状況を、瑛と共に協力し、いくつもの大きな困難を乗り越えて、会社再建を目指します。
子どもの頃から大人になるまで、順に物語が進んでいくので、読み進めるにつれて感情移入がとまりません。あの小さかった子がこんな大きくなって・・・!という気持ち。

二人のあきらが入行した銀行は、半沢直樹と同じ産業中央銀行です!
違う作品でも繋がりがあって、嬉しくなりました。
お金がなくて苦労する瑛の家族、裕福でも苦労がある彬の家族
子ども時代のシーンで印象に残ったのは、瑛が自宅を追われて祖父母の家に逃げていく最初のシーン。
親として、もし自分の子どもがこんな気持ちだったら、と思うと胸が苦しくなりました。
子どもがお金のことで苦労する姿、なんだか本当にいたたまれないです。
それでも、この経験から困っている人を救いたいという気持ちを強くし、バンカーになる瑛。
応援せずにはいられません。ずっと、心の中で、頑張れ!負けるなー!と叫んでいました。笑
一方で、いわゆるお金持ちの彬。
大企業の社長である父親の仕事ぶりを身近に感じながら、裕福に育ちますが、親族関係に悩みます。
父親の弟たち、彬の叔父たちのひがみは、物語終盤も続きます。
ここまで嫌味を言える人たちすごいな、、
ある意味、裏の感情も隠さない人間らしい人たちです。
お金がなさすぎても困る、けれど、お金がありすぎても困る。
そんな対比が描かれているように思いました。
二人のあきらの働きぶりに心打たれる
この物語のメインの見どころは、彬の行き詰った会社の再建です。
二人とも、どんなに行き詰っても諦めず、なんとか方法がないかと一生懸命模索します。
この方法ならいけるかも!と思ったら、障害があって、振り出しにもどる、、、
そんな出来事の繰り返しで、テンポよく気持ちが上昇したり、下降したり。
心打たれるのは、二人とも、自分の栄誉やお金のためではなく、人のために行動しているところ。
立場は違えど、自分以外の人のために、身を粉にして動く二人のあきらに、頭が下がります。

誰かのために一生懸命になれるのは素晴らしい。
育った環境は全く違う二人ですが、そんな二人が協力し合う姿は胸アツです。
仕事へのモチベーションを高めてくれる小説
二人の仕事ぶりも、超優秀!読んでいて美しさを感じるほど。
なぜこんなにもスムーズに仕事ができるんだ!と思わずにいられない。
上司に書くように指示された稟議がすでに半分以上出来上がっていたときとか。
育休中で仕事をしていないわたしですが、情熱をもって仕事に取り組む姿を読んで、仕事したい欲が出てきました。

わたしにとっては、自己啓発本よりも、池井戸潤さんの小説の方が、仕事のモチベーションが高まりました。
おわりに
二人のあきらが自らの立場や仕事に悩み、奮闘する姿にとても勇気づけられました。
何だか仕事に身が入らない、という人が読むと、仕事への情熱を再燃できるかも。
実際、育休中で仕事をしていないわたしも、仕事したい!と思いましたし。
一生懸命、何かに取り組むのって、良いですよね。
映画化も、ドラマ化もされている作品なので、機会があればそちらも見てみたいと思います。


