2025年に発売された瀬尾まいこさんの『ありか』。
家族愛にあふれた一冊で、とても良かった。
特に、母と子のきずな。母から子への無償の愛にひたすら共感していました。
ワーママとしても頑張る姿、自分を重ねていつの間にか主人公に寄り添いながら読んでいました。

母子の何気ないけど愛にあふれた日常を通して、とても心温まりました。
本の概要
作品名 ありか
著者 瀬尾まいこ
読後感 ほっこり/優しい気持ち
あらすじ
母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。水鈴社HPより
楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも、困ることも、色々あるけど、母と子のかけがえのない毎日。その中に、義弟、ママ友、職場の先輩など、そっと手を差し伸べて温かく支えてくれる人達の愛情を受けながら、少しづつ強くなっていく、優しい家族の物語です。
感想
美空の、娘への愛情にずっと共感していた一冊でした。
子どもはかわいい。特に、自分の子どもは無条件に。見返りなんて何もいらないけど、自分のできることは何でもしてあげたい。
普段わたしが自分の子どもに抱いている感情が、瀬尾さんの穏やかで優しい言葉で言語化されていて感動しました。
登園前に子どもを急かしてしまったり、保育園に預けた後に子どもに会いたくなったり、お迎えに行ったら行ったで怒涛の家事育児タイムを過ごしたり、そいういった細々としたところ、ワーママのリアルさも感じられたのも良かったです。
美空は、実母に育ててもらったことを恩着せがましく言われ続けていました。洗脳のように、その恩に縛られていたけど、徐々に実母のしがらみから脱却していく様子に、母としてたくましくなっていく姿が感じられました。
一方で、実母に対しては、最初は嫌悪感を抱いてはいたものの、最後の最後で、少しだけ同情。自分も生活カツカツで余裕がない時、子どもに優しく接してあげられるか、自信がありません。
もしかしたら、実母のように、育てた恩を振りかざして子どもを責めてしまうかもしれない。(でも、絶対にお金は借りたいなどとは言わないけど。)
最後はどう着地するのかドキドキしましたが、美空の気持ちに整理がついたような形になって良かったな。絶縁はしていないところ、美空のやさしさだなと思いました。
あと印象に残ったのは、実母とは違い、周囲の助けてくれる優しい人たちの存在。義弟、ママ友、職場の先輩など。みんな実母とは違い、恩着せがましくなく、自然にその優しさを受け取ってもらう配慮ができている。気を遣わないような言い方とか、態度とか、タイミングとか、差し入れとか。
わたしも子育てをしている誰かにとって、そんな存在にいつかなりたいなあと思いました。
相手に気を遣わせない、でも、それも嬉しいと思ってもらえるような。
この本の世界のように、優しい世界で子どもを育てる一員になりたい。
改めて、子どもたちとの今この時間を大切に過ごそうと思いました。


