ブルーベリーは6〜8月に果実を実らせ、収穫時期を迎えます。甘酸っぱい果実を食べるのがブルーベリー栽培の一番の醍醐味ですが、そもそも、ブルーベリーにはどのような栄養素があり、食べるとどのような効果があるのでしょうか。
今回は、ブルーベリーに含まれる栄養素とその効果や、栄養を吸収しやすい食べ方などをご紹介します。
ブルーベリーに含まれる主な栄養素

下記参照して作成
・文部科学省「食品データベース」
・Wang, S., Wang, B., Dong, K., Li, J., Li, Y., & Sun, H. (2022). Identification and quantification of anthocyanins of 62 blueberry cultivars via UPLC-MS. Biotechnology & Biotechnological Equipment, 36(1), 587–597. https://doi.org/10.1080/13102818.2022.2090857
ビタミンE
強力な抗酸化作用を持つビタミンEが豊富に含まれています。老化を防止する働きがあるため、「若返りのビタミン」と呼ばれることもあります。血流を促進させ、冷え性や肩こりを和らげる効果も期待できます。脂溶性ビタミンの一種で、油と一緒に摂取することで吸収されやすくなります。
抗酸化作用とは
活性酸素が過剰に生産されると細胞を傷つけて、生活習慣病や老化を引き起こす原因となります。「抗酸化」は、この活性酸素の発生を抑えてくれる働きのことです。抗酸化作用をもつビタミンのことを、抗酸化ビタミンと言います。
ビタミンC
水溶性ビタミンの一つです。抗酸化作用があります。コラーゲンの合成に必要なビタミンで、鉄分の吸収を助ける役割もあります。水に溶けやすく、熱に弱い性質を持っています。
食物繊維
不溶性食物繊維が豊富で、腸内環境を整えます。わかめやりんご、バナナなどに多く含まれる水溶性食物繊維とバランスよく摂取することで、便通促進の効果があります。
カリウム
体内の余分な塩分を排出し、水分バランスを調整する働きがあります。また、血圧を下げる働きもあります。
アントシアニン
ブルーベリーに含まれる色素で、ポリフェノールの一種です。ブルーベリーの果実が青紫色をしているのも、アントシアニンが蓄積されているためです。強い抗酸化作用があり、老化防止や生活習慣病の予防が期待できます。また、眼精疲労を和らげる効果もあると言われています。
ブルーベリーの健康効果

生活習慣病の予防
ビタミンCやビタミンEの抗酸化ビタミンや、アントシアニンの強力な抗酸化作用により、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病を予防できます。また、カリウムは、余分な塩分を体外へ排出する働きを持っているため、高血圧予防も期待できます。
アンチエイジング
活性酸素はコラーゲンを減少させたり、メラニン色素を増加させたりします。抗酸化ビタミンの作用により、活性酸素の生成を抑制させることができます。そのため、シワやシミなどの肌トラブルを防ぐことができます。また、ビタミンCによるコラーゲン合成促進の働きも美肌作りを助けてくれます。
腸内環境の改善
不溶性食物繊維は、便のかさを増やして、便通を良くする働きがあり、腸内環境の改善が期待できます。ブルーベリーは皮ごと食べられるため、果実の豊富な食物繊維を余すことなく摂取することができます。
目の疲れ・視力の改善
アントシアニンには、網膜にある資格信号を伝える「ロドプシン」の再合成を助ける役割があり、それが目の疲れや視力を改善させるといわれています。
ブルーベリーの栄養を効果的に吸収する食べ方は?

皮ごと生で食べる
ブルーベリーは枝についている間しか熟さないので、収穫したらすぐに食べることをおすすめします。皮ごと食べられるので、その栄養素と成分を余すことなく摂取できます。収穫から時間が経ってしまうと、水分が抜けて風味も落ちるため、早めに食べましょう。
冷凍してから食べる
一度冷凍すると、採れたての食感は味わえませんが、そのままの栄養価でブルーベリーを長期に楽しむことができます。アントシアニンに関しては、冷凍することで増加するというデータもあります。また、冷凍することで果実の細胞壁が破壊され、栄養素の吸収率が高まります。ただし、ビタミンCは水に溶ける性質があるため、解凍時に流れ出てしまう可能性があります。
ブルーベリーの摂取量

厚生労働省による1日の果物摂取目標量は200gです。ブルーベリーだけを食べるのであれば、1粒約2gなので、約100粒ほどが目安です。
他の果物と一緒に食べる場合は、合わせて200gが目安になります。
ブルーベリーを食べる際の注意点

ブルーベリーを食べる際の注意点は、不溶性食物繊維を豊富に含んでいるため、摂取しすぎると便秘や消化不良の原因になる可能性があります。一度に大量のブルーベリーを食べすぎないようにしましょう。
また、ブルーベリーのジャムやヨーグルトソースなどの加工品の場合、砂糖が大量に入っています。パッケージなどに記載されているカロリーや栄養成分を確認し、適量を食べるようにしましょう。
まとめ

今回はブルーベリーの栄養素とその効果、食べ方についてご紹介しました。ブルーベリーの小さい果実には、健康や美容に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
美味しくて身体にも良いブルーベリーの収穫を目指して、ブルーベリーを育てていきましょう。